{国会報告}2025/2/5 大企業優遇をやめ、地方活性へ!

衆議院 予算委員会(省庁別審査)

○安住委員長 これにて吉田君の質疑は終了いたしました。

次に、佐原若子さん。

○佐原委員 れいわ新選組、佐原若子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

私は、東北選出の議員として、常に経済活性化の問題に直面しています。東北の地方都市はシャッター街が連なり、私の地元弘前でも、地元資本の百貨店が倒産し、ホテルも倒産し、惨たんたる状態です。地方の再生は早急に進めなければならないと痛感しています。

昨年末から新たな内閣の体制になり、従来の政策から大々的に転換し、地方の活性化を進めていただくことが日本の経済再生の一助になるという観点から、赤澤経済財政担当大臣への質問のお時間をいただきました。

地方再生は待ったなしの状態です。若者の人口流出も止まりません。そこで、都市機能のバックアップを地方につくり、地方の若者が都市の企業に在籍し、地元でリモートワークなどで大手企業と同等の賃金を得るという構図は有効な手段と考えます。また、例えば、日本の地形、資源を存分に生かし、自然破壊を伴わない小水力発電とエネルギーの価値をデジタル化するNFTとを連携させ、地方のエネルギーを首都圏へ転売することも可能だと思います。

地方在住の人々が自分たちが住んでいる地域で十分な収入を得て安心して暮らせるように、国の支援を多角的にしっかり行うべきと考えます。大臣のお考えはいかがでしょうか、お答えをいただきたいと思います。

○赤澤国務大臣 委員と問題意識を共有をいたします。

石破内閣では、都市も地方も、安心、安全で心豊かに暮らせる持続可能な地域社会をつくるため、これまでの成果と反省を生かし、委員御指摘のリモートワークなどもフルに活用しながら地方創生二・〇に取り組むこととしております。

新しいICT技術の登場により物理的距離が消滅し、場所を問わずに仕事ができるようになり、例えば、週に一日でもテレワークで兼業、副業したりするようなことも可能になっております。委員御指摘のとおり、リモートワークは有効なものと考えており、国として、その推進のために、新しい地方経済・生活環境創生交付金を活用して、例えば、サテライトオフィスの設置などに取り組む意欲的な地方公共団体を支援することとしております。

今後とも、石破政権の一員として、地方創生担当の伊東大臣をサポートし、地方創生二・〇の推進に全力で取り組んでまいります。

○佐原委員 ありがとうございました。

同じような認識を持っているのが分かりました。ありがとうございます。うれしいです。

従来の政策で地方の第一次産業は衰退していきました。少人数で収量を上げてきた農業など、弱い小さな事業者たちの不断の努力で成り立ってきた第一次産業を、効率化、合理化の名の下に、日本の食文化を支えてきた人たちを排除してきた政策は、人々を幸せにはしませんでした。これは今、大臣も、そして誰もが実感しているはずです

実は、小規模形態の第一次産業は、地方から経済、内需を支えてきたのではないかと思っております。成長産業化の名目で大企業を優遇し続けています。これからは、第一次産業の小規模な生産者、事業者を守り、生かす政策が、次世代の承継問題の解決も、可能にするのではないかと思っています。

例えば、三十年ほど前、海のギロチンと呼ばれた諫早湾干拓事業では、海の環境が一変し、宝の海は死の海となり、漁業者が苦しみました。また、一昨年には、諫早湾の漁協によるノリの共同販売が、公正取引委員会により独占禁止法違反として排除命令が出されました

国のルールとして一方的に判断を下すのではなく、地域の伝統的な習慣、文化と新たな形態のビジネスとが共存できる仕組みをつくり、サポートするのが本来の政治の在り方ではないでしょうか。一見非効率に見える小さな事業が、実は、環境を守り、リスクを軽減し、地域の経済を守ってきたという側面もあるのではないかと思いますが、いかがでしょうか

日本の食料、そして種までも、その多くを輸入に頼っています。このままでは世界的な危機が勃発したときに耐えられるのか、日本人は飢えるのではないか。最悪の事態を想定して、危機を乗り越えられる体制にしなければならないと思います

気候変動や物価高騰の中で頑張っている第一次産業の方たちを苦しめる政治は、もうやめるべきだと思います。大臣、いかがでしょうか。

○赤澤国務大臣 今、ほぼ二問まとめてお尋ねがあったような感じもあり、あと、ちょっと御通告がなかったことを一言おっしゃったようにも思うので、ちょっと長くなりますが、お許しいただきたいと思います。

私の地元も農林水産業が盛んな地域であり、第一次産業の重要性は十分理解をしております。お尋ねの第一次産業の小規模な生産者、事業者を守り、生かす政策についてですが、農業経営体の減少が今後も見込まれる中、将来にわたり食料安定供給できる農業の確立が必要です。

このため、規模の大小や経営形態にかかわらず、農業で生計を立て、効率的かつ安定的な農業経営を目指す方々も、生産性向上と付加価値向上できるように後押しをするとともに、それ以外の多様な経営体についても、地域の共同活動への支援などを行い、農業生産の基盤である農地の確保も図ってまいります。昨年の骨太方針にも、農業の持続的な発展に向けた担い手の育成、確保や、農地の総量確保と適正、有効利用などについて位置づけたところです。

また、次に、委員御指摘の諫早湾の漁港のノリの共販についてですけれども、昨年五月に、公正取引委員会が、佐賀県有明海の漁業協同組合、それから熊本県漁業協同組合連合会に対して、独禁法に基づく排除措置命令を出したと承知をしております。

これは、両漁協等が行う共同販売を利用するノリ生産者に対して、ノリの全量出荷に係る誓約書の提出を求めていたことなどが原因であり、両漁協等がノリの付加価値向上等のために行う共同販売の意義が否定されたわけではないと承知をしております

なお、水産庁においては、漁業者等が生産性の向上、品質の一層の向上につなげていくために、健全な取引環境を整備することを目的としたガイドラインを策定し、水産物等の取引に関わる事業者に対して指導を行っていると承知をしております。

委員の御指摘もいただきながら、農林水産業も含めた地域の活性化のために、知恵と情熱を生かして地域の潜在力を引き出すことが大切であり、地域の稼ぐ力を高めていけるよう、地方創生二・〇に全力で取り組んでまいりたいと思っております。

○佐原委員 ありがとうございました。

ただ、大臣がおっしゃいました、農地の確保とおっしゃいますが、減反政策などと矛盾するような政策をしてきたということを、やはり、改めていかなければ、反省していかなければいけないのではないかなと思います。

大企業を優先する政策、大型化をする政策というのは、やはり、そこからは離脱して、しっかりと国内経済を活性化させる予算を組み込んでいただきたいと思うのです。小さな農業者を守ることはとても大事なことです。地域を活性化させることで、根底から国が豊かになり強くなる、それが真の安全保障につながるのではないかと私は考えています

大臣のお考えを、まとめて御答弁をいただきたいと思いますが、よろしくお願いいたします。

○赤澤国務大臣 私も、政務に入っているとき以外はずっと自民党の農林役員会に所属している人間でございますので、おっしゃっていることについては大変重要な御指摘と受け止めたいと思います。

確かに、農地に限らず、国土を最大限有効に活用することというのは国土強靱化につながるところも非常にあると思いますし、そういう意味で、我が国の限られた資源を最大限有効に活用して、地方創生二・〇につなげていくということをしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えます。

○佐原委員 ありがとうございます。

私も、今大臣のお考えを伺いまして、本当にそのとおりだなと思いました。失われた三十年を取り戻していくこと、まず小さな農業者たちを助けること、そういった地方から活性化していくことが日本経済を大きくまた飛躍させていくのではないかなと思います。しかし、今もなお大企業優先のところもございます。また、価格設定など農民を苦しめているところもございます。これからも、私たちのような小さな事業で生きている人たちのことをどうぞ大切にお考えいただいて、皆様を幸せにしていただきたいと思います。

今日は本当にありがとうございました。