経済産業委員会

○宮﨑委員長 次に、佐原若子君。
○佐原委員 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。れいわ新選組、佐原若子でございます。よろしくお願いいたします。
今回の早期事業再生法案について、これはすばらしい法案だなと思いました。何よりも、労働者を不利にはしないという、労働者を見捨てないというところで、事業を再生するというところがいいなと思っております。ただ、もっと早期にこれをするべきだったなと、十一年ぶりに一万件を超えた倒産などを考えますと、もう少し早くこういう法案ができていたらいいのになという思いをしております。再生を図りたい企業にとってスケジュールは重要です。早期事業再生法案では、事業者の手続申請に当たり指定機関が確認をします。この確認にはどのくらいの時間を要しますか。また、この確認には公平性、透明性を確保できますか、お尋ねいたします。
○河野政府参考人 お答え申し上げます。御指摘の確認に要する期間でございますけれども、持ち込まれる案件の債権者の数ですとか、債権額その他の性質にもよるため、一概に申し上げることは困難だというふうに思ってございます。なお、私的整理手続の一つでございます事業再生ADRにおきましては、個別の事案の事情により当然差はあるものの、手続の利用申請から正式受理までおおむね一か月前後の期間を要するというふうに想定をされてございまして、今回の制度と単純に比較ができるものではないとは思ってございますが、本制度の確認に要する期間を考える上での一つの参考になるというふうには考えてございます。御指摘ありましたとおり、本制度は早期での事業再生のための手続でございますので、迅速な処理に向けて具体的な運用の工夫を検討してまいりたいというふうに考えてございます。
また、公正性、透明性という御指摘でございますけれども、第三者機関の確認の際には、その業務を実施する確認調査員として手続の当事者と利害関係のない者が選任されるということ。それから、最終的に裁判所は確認の手続も含めて手続全体に法令上の瑕疵がないかを審査するということとしてございますので、こういったことを通じて確認の際の公正性を担保しております。
加えまして、確認する要件でございますが、これにつきましては、債務調整の必要性ですとか、対象債権者一般の利益に適合する見込みなどを法律の条文上明確に定めてございますので、事業者や金融機関等に対する透明性を担保しているというふうに考えてございます。
○佐原委員 ありがとうございました。透明性、公平性などの確保はできるということで、安心いたしました。では、次に、先ほど鈴木先生、岡野先生などが御質問されたので、重複される質問ではございますが、質問させていただきます。事業の再生においても労働者の権利は保護されなければなりません。その観点から、裁判所の関与の在り方についてお尋ねします。裁判所が、手続の最終段階での認可、不認可に関与します。裁判所では、手続の経過を審査するのでしょうか。あるいは、事業再生計画における雇用、労働条件の状況についても審査されますか、お尋ねします。
○河野政府参考人 お答え申し上げます。本制度におきましては、裁判所が権利変更議案を認可する際には、手続的な瑕疵に加えまして、例えば債務の履行可能性なども審査をするということとなってございます。この際でありますけれども、裁判所は、早期事業再生計画ですとか第三者機関による調査の結果も踏まえてそういった認可をするということを想定してございます。したがいまして、裁判所が債務の履行可能性を判断する際には、早期事業再生計画の記載内容についても考慮され得るというものであると考えてございます。
○佐原委員 分かりました。ありがとうございます。
次に、この法案の検討を行ってきた事業再構築小委員会の報告書で、制度改正の背景意識として、「経済的に窮境に陥るおそれがある事業者が早期での事業再生に取り組める制度基盤を整備し、経済の新陳代謝機能を強化しておくことが重要」とあります。私、この新陳代謝という文言に何かぴっと感じまして、何かひっかかったんですね。何かしら新自由主義的な陰謀があるような気がいたしまして。ごめんなさい。私、この新陳代謝というので、なかなかもうけが出ないような会社が取り潰されていくのは困るなと思いまして、この新陳代謝というのは、企業の新陳代謝、つまり淘汰を指すということではないですよね。お伺いします。
○武藤国務大臣 陰謀論者ではありませんので、御理解いただければと思います。審議会の報告書で記載されているこの経済の新陳代謝機能の強化という文言なんですけれども、ここは、事業者の事業の再建を円滑化する制度基盤を整備することで、収益性の高い事業に入れ替えたり新たに挑戦させる、挑戦していくという事業内容の新陳代謝を意味しているところでありますので、企業の倒産を促進するという意味での企業の新陳代謝という意味では全くございません。
○佐原委員 ありがとうございました。会社の中の不採算部門、そういうところを変えていくということですね。ありがとうございました、分かりました。
次に、多数決による私的整理については、これまで二〇一四年、二〇二二年にも議論がされてきました。当時、成立に至らなかった理由は何でしょうか。そして、今回の法案はその課題を全てクリアしているのでしょうか。その課題について、現行の制度と本法案の違いも御教授いただきたいと思います。
○武藤国務大臣 御指摘のとおり、二〇一四年には、民間に設置をされた検討会において多数決による債務整理の制度について検討が行われました。しかし、反対する債権者の財産権の保障が導入に向けて克服しなければならない課題として示されたと承知をしているところです。また、二〇二二年、内閣官房の今度は分科会というところでも同様の制度について議論がなされました。
これを引き継ぐ形で、経産省の審議会において、導入に当たっての課題であるいわゆる反対する債権者の財産権の保障について、憲法学者も含んでいただきまして制度の議論を進めてきたところであります。こうした議論の結果として、本制度でありますけれども、倒産前の段階で減免等の対象を金融機関等が有する金融債権に限定するというふうにしたということと、第三者機関と裁判所が関与して多数決の濫用の弊害を防止する仕組みも有した手続としているところであります。このような制度とすれば、反対する債権者の有する債権を減免等しても憲法に反するものではないという、審議会においても整理をされたところだというふうに承知しています。
○佐原委員分かりました。次の質問、最後の質問に移りますが、実は通告しておりません、大臣、申し訳ありません。大阪万博についてでございます。辰巳先生のお株を取ってしまいまして、申し訳ございません。賛否両論の中で、いろいろな問題がありながら大阪万博が開幕いたしました。開いてみると、二週間、毎日十万人超えという大盛況でございます。また、その中のコンテンツもなかなか秀逸で、評判がよいようでございます。皆様ほっと胸をなで下ろしているのではないかなというふうに推察いたしますが、でも、大臣、華やかに演出され、成功を収めているように思われますが、大臣、これに関わる中小零細の建設業者がどういう状況にあるか御存じですか。海外のパビリオン建設を行い、その建設費の未払いが多発しています。二千万とか何千万とか、そんな建設費が全く支払われていないというようなところもございます。中小零細の建設業者さん、本当に大変な状況なんです、今。大臣、佐原若子の心からのお願いです。国が責任を持ってこの方々を救済することをお約束いただけませんでしょうか。
○武藤国務大臣 地獄耳じゃありませんけれども、佐原先生のお気持ちは耳に入ってきておりまして、事業者から、海外パビリオンの建設費の未払いが生じている、これはネパールの話ももう出ちゃっていますけれども、声が上がっていることは認識をしています。政府としては、参加国に対して、事実関係を確認するとともに、責任ある対応をしっかり取るように、これは働きかけを当然ですけれども行ってきているところです。博覧会協会においても、参加国に対して同様の働きかけを行っているものと聞いております。今後とも、博覧会協会とも連携をしながら対応させていただきたいというふうに思っています。
○佐原委員うれしいお答えでしたが、なかなかその交渉がうまくいかなかった場合に、できるだけ国が積極的に支援をして、まず、この困窮しているところを救っていただきたいなというふうに思います。是非ともそのような万博の思いが、あっ、よかったなと皆様が思われるような万博であったらいいなということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。本日はどうもありがとうございました。
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