

○宮﨑委員長
次に、佐原若子君。
○佐原委員
れいわ新選組、佐原若子です。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、正直な大臣に質問の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。
大臣、本日は、エネルギー政策のうち、省エネの推進と再生可能エネルギーの導入可能性についてお伺いします。
経済産業省は、二〇四〇年度の電源構成において原子力を一定割合含める方針を示されています。そして、一昨日、原発の審査期間を上乗せして運転可能期間を延長するルールが出されました。安全性の担保はあるのでしょうか。省エネの徹底と再生可能エネルギーの最大限の活用により、原発なしでも電力を賄える可能性はないのか、改めて議論する必要があると考えます。
そこで、以下の点についてお尋ねします。
二〇四〇年までの電力需要の増加要因と省エネの見通しについてお伺いします。
三月十九日の御答弁では、二〇二三年から二〇四〇年の間に電力使用量が年間千億キロワットアワーから二千億キロワットアワー増加すると見込まれているとのことでした。しかし、同時に省エネの進展も想定されるともおっしゃっていました。この電力需要増加の具体的な要因は何であるのか、そしてどの程度でしょうか。また、同期間にどの程度の省エネが見込まれ、その省エネの具体的な手段は何でしょうか。お答えいただきます。
○山田政府参考人
お答えいたします。
二〇四〇年度のエネルギーミックスでは、二〇四〇年度温室効果ガス七三%削減、二〇五〇年カーボンニュートラルを前提に、再エネ、水素等、CCSなどの分野において技術革新が実現することを想定した上で、将来のエネルギー需給の姿を一定の幅でお示しをしております。
将来の電力需要の増加要因といたしましては、データセンターや半導体工場などのDXの進展によるものや、電動車や産業部門の電化などのGXの進展によるものが想定をされておりまして、光電融合のような技術革新により省エネが進展してもなお電力需要は増加するとの見通しとなっております。
具体的には、二〇四〇年度エネルギーミックスでは、二〇四〇年度の発電電力量は一・一から一・二兆キロワットアワー程度として、二〇二三年度から一から二割程度増加するとの見通しを示しております。
二〇四〇年に向けましては、省エネに加えまして、電化や非化石転換などの需要側の対策を一体的に進めていく必要があるところ、二〇四〇年度エネルギーミックスでは、最終エネルギー消費量について、二〇二三年度の約三億キロリットルから二・六から二・七億キロリットル程度まで一割程度削減が進むと見込んでおるところでございます。
○佐原委員
ありがとうございました。AI、半導体の省エネ貢献と電力消費量のバランスについてお伺いします。
半導体小委員会などでは、AIや高性能半導体の発展が省エネに貢献するとの指摘があります。しかし、一方でデータセンターの電力消費量の急増が懸念されています。AIや半導体技術の進展によって、具体的にどの程度の電力消費削減が可能と見込まれているのでしょうか。また、データセンターの電力消費量は、現在全体の何%を占めていて、今後の増加見通しはどうなっていますか。
○山田政府参考人
お答えいたします。今ほど申し上げましたとおり、エネルギーミックスで将来のエネルギー需給の姿を一定の幅でお示ししているところでございますが、今ほど御指摘ございましたAIやデータセンターによる電力需要については、DXやGXの進展による電力需要増加の可能性と、光電融合、先ほどもお伝えしましたが、のような技術革新により省エネが進展する可能性の双方を踏まえる必要がございまして、具体的な水準については、将来の技術革新の影響を大きく受けるものと考えております。
このため、二〇四〇年度のエネルギーミックスでは、AIやデータセンターによる電力需要につきまして具体的な数字を示していないものの、その作成の前提となる地球環境産業技術研究機構、RITEと申しますが、このシナリオ分析におきましては、総電力需要の約一割程度との結果が示されているところでございます。
○佐原委員
ありがとうございました。経済産業省は、省エネの更なる推進と再生可能エネルギーの拡大によって需給構造を見直し、二〇四〇年の電力需要を原発なしで賄う可能性を検討したことがありますか。もし試算があるなら、公表していただけますか。
○久米政府参考人
お答え申し上げます。
脱炭素電源、特に再エネ一〇〇%を目指すべきではないかという御趣旨の質問かというふうに拝聴しておりますけれども、二〇四〇年度の再エネ比率四割から五割という水準は、再エネ発電量を現状の約二倍から三倍近くに増加させる水準に相当いたしまして、十分に野心的というふうに考えております。
その上で、残りは火力と原子力で賄う必要があるのが現実でありまして、脱炭素電源を確保する観点からは、原子力の活用は不可欠と考えてございます。
○佐原委員
環境省による再生可能エネルギー導入ポテンシャルのデータでは再生可能エネルギーで賄えると捉えることができますが、エネルギー需給の検討には、他分野、他領域の方々の見識を集積し、総体的にしっかり検討いただきたいと思いますが、そのような体制はおありですか。
○久米政府参考人
お答え申し上げます。二〇四〇年度のエネルギーミックスでお示ししております電力需要の見通しにつきましては、外部の六者のエネルギー環境分野のシンクタンクの方々に、前提条件をそろえた上で、技術進展を踏まえた複数パターンのシナリオ分析を依頼しておりまして、その結果を基に政府が採用した見通しはこれら複数の分析のおおむね中間的な水準となっており、妥当なものだというふうに考えてございます。
○佐原委員
先週、企業団体が柏崎刈羽原発を視察の折に、再稼働ができないと日本の原子力に暗雲という声が上がったという報道がありました。既に大きな犠牲を生み、解決策が見出せない原子力をまだ追求するということなのでしょうか。日本の原子力回帰に関しては、イギリスのガーディアン紙も、福島の原発事故から十四年、それは裏切りの行為と評しています。
新しいエネルギー技術と省エネ技術へ転換し、これからの国際的な市場で競争していくことが日本の産業にもプラスではないのかと思います。
かつて、日本人には新しい物を見せるな、見せるともっといい物をもっと安く作ると言われた時代がありました。日本人の物づくりの才能、伝統の技術、物に対する愛といったものがあるからではないか、イノベーションの才能と探求心のたまものではないかと私は思います。
ですから、省エネ、再エネで世界をリードする、覇権をするようなチャンスがあるように思うんです。大臣の御見解をお聞かせください。
○武藤国務大臣
委員からの御質問は、ある意味で、原子力という問題を、使わない方がいいんじゃないかということだろうと思いますけれども、先ほど来ずっと参考人から申し上げているとおり、今回のエネ基もそうですけれども、再エネを、これは別に全く否定はしておりませんし、再エネもフルに活用していかなきゃいけない。そして、二項対立じゃなくて、原子力というものも安全性を前提にやはり動かしていかないと、先ほど来申したように、日本のエネルギー事情からして国民の安心、安全を守れないという大前提から、今リアルにこれを作ってきているところであります。
一方で、今、いろいろな話で御批判的なことは私どもも承知していますけれども、私自身も、海外等々、いろいろ会いますと、非常に、各国から、原子力というものへの再帰の、新しい動きがまた動いているのも、これも事実であります。
これは何かというと、やはり今の生成AIですとか新しい技術が非常に電力を要してくるというところがあって、脱炭素といいますか、脱化石燃料をしながらも、再エネと、原子力という形での再利用ということを、世界的な動きで動き出してきているんだろうというのを承知しているところであります。お答えになっているか分かりませんけれども、よろしくお願いいたします。
○佐原委員
ありがとうございました。国は時々うそをつくと思います。
私の友人の一人は、福島原発事故の後、給水車の前に、長蛇の列に子供を連れて並びました。でも、そのとき、そこは放射能のフォールアウトがあったんですね。それを彼女は非常に悔やみまして、彼女は、その怒りを、自分が政治を動かすということで、地方議員に立候補しました。正しい情報を正しく伝えるという公約の下に、彼女は当選いたしました。政治家や役人は、愛と理念と哲学を持って、国が間違った方向を目指したときには修正する努力をしていかなければならないと思うんです。
日本企業はリサイクルできる太陽光パネルも開発したという記事もございました。
日本は資源に乏しいから、国産エネルギーの原子力は不可欠だ、その確保が必要だと常に聞かされ、説明されてきました。しかし、視点を変えれば、この日本の地形、それから豊富な水量、それなども資源と考えられます。小水力発電など、自然の水流を工夫して発電できるものがあるのにもかかわらず、あえて原発ありきの政策を取り続けることは、これは将来にわたって禍根を残すような気がします。大企業のことだけではなく、ここに暮らす人々、そして子供たち、この人たち、このかわいい小さな者たちのことを考えていってほしいなと思うんです。
大臣、どうかもう一度、国民のことを考えて、将来のことを考えて、精査をするということを考えていただけないでしょうか。そのことを、最後の質問ですが、どうでしょうか。
○武藤国務大臣
決して原発ありきということではありません。先ほどから申し上げているとおり、再エネも、そして原子力も、ある意味で、もちろん原子力は安全大前提ということが先に立っておりますし、今先生がおっしゃられたような、本当に真実というものをリアルに国民にも御理解をいただきながら進めていかなきゃいけない話だと思っております。
○佐原委員
ありがとうございます。時間となりましたのでここで終わらせていただきますが、是非とも愛と理念と哲学を持って行政に当たっていただきたい、そう思います。
今日はお疲れのところありがとうございました。失礼いたします。
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